SUGOI-ne中のCymbidiumプロトコーム。
  自生地には乾期であっても、
  このプロトコームが生きる水分がある。

  ラン科植物26000種、全て同じである。

 Cymbidium 親鉢播種法で発芽した幼株。
 ドミニー博士の播種の水ゴケをSUGOI-neに置き換えて
 播種し成功した。

  この鉢にはラン菌が生息し、ラン菌がSUGOI-neを分解し
  糖、糖質を作り、Cymbidiumの種子に糖を供給し、
  この糖をエネルギーにして発芽した。
  つまりランの種子には胚乳がなく、エネルギーゼロ。
  エネルギーを調達するためにラン菌と共生。
このラン菌による炭素循環栽培法の基幹にあるのが、
1852年から53に実験が行われたドミニー博士のラン親鉢播種である。
この実験で見事に成功し、ランの発芽に菌が関係していることがわかった。
ランが菌根植物であることが解明された。
それまではマメ科植物が空中窒素を固定するバクテリアと共生していることが知られていたが、
ラン科植物もある種の菌と共生して生きていることが証明された。
この発芽成功によって、ランも育種が可能になった!
より美しい花を求めることがランでも可能になった!
ラン愛好家の夢が、実現することになった。
それから今日まで160年。
膨大な品種が生まれつづけている。

1920年頃、アメリカのナドソンが無菌播種法を成功させるまで、
ランの育種はドミニーの親鉢播種法で行われて来た。
日本でも1950年代まで、親鉢播種で行われていた。

ドミニー博士が行った方法とはどういうものだったのか????
近年発行されてた本にはほとんどこの技術が記載されたものはない。
メリクロン、無菌播種が基準になっている・・・・
しかし、自生地では、自然界では、営々としてこのラン菌との共生で発芽し、
子孫を維持継続している。
ラン菌による炭素循環の中で生命が営まれているのに、いささかの変化もない。


そういう意味で、この親鉢播種の原理を知る勉強も無駄ではない。
SUGOI-ne栽培する前に、この技術理論を勉強すれば、
SUGOI-ne栽培大成功する。


方法
 1 山堀株を準備する
    19世紀のラン株は全て自生地で採集した株が、英国に送られたから、
    この山掘り株の根には当然自生地のラン菌が生息していた。
    根にラン菌が生息している科も知れない・・・・
    この仮説を立てこの菌を利用することを考えた。
    この着想がドミニー博士の素晴らしい思考である。
 2 生きている水ゴケで山掘り株を植えた。
    生きている水ゴケは、非常に清潔。
 3 数ヵ月後に株元に種子を播いた。 (ヒマラヤで山堀りしたカランテの株に カランテの種子)
 4 約一年後3本発芽。

  大体以上のような概要である。
  この成功にヒントを得て、播種法を改良したのが下記のようなものである。
  成功から約50年間、この技術は秘密にされ、詳細がドミニー学派以外には
  公開されることはなかった。
  したがって、サンダースリスト記載の1910年頃までの交配者は、
  ほとんどドミニー博士門下の人だといわれている。
  この技術がいかにスゴイ夢の技術で、熱狂的にランが育種されたかを、
  サンダースリストが証明している。


 1 ラン菌が繁殖していると想像される鉢を選んで、この鉢の表面に
   生きている水ゴケを載せる。
 2 この水ゴケに2,3ヶ月でラン菌が繁殖する。
 3 このコケを無菌の鉢に入れ播種床とする。
 4 この上に(表面に)メッシュの粗い麻布を被覆する。
    この麻布には、前もって日本から輸入した「柿渋」を塗っておく。
    なぜ柿渋を塗る、浸漬するかというと、柿渋には雑菌の繁殖を抑える
    防菌効果があるからである。(柿渋は柿のタンニン、期間限定の防菌、防腐剤)
    このタンニン、ラン菌、材木腐朽菌が分解できる)
    ランの発芽には約1年を要するので、この期間雑菌の繁殖を抑えることが
    不可欠であるが、この柿渋の発見で、雑菌繁殖防止が可能になった。
    麻布の主成分はセルロース、リグニン、ラン菌が分解すれば糖ができる。
    ここに、巧妙なラン菌による炭素循環が構築されている。
    ここの技術が門外不出として秘密にされた。
    ドミニー博士の門下生のみが知る技術であった。
    ランの播種に日本の柿渋を利用する・・・・この発想!
    エジソンが電球を発明するとき日本の竹を利用する・・・発想!
    天才とは・・・・そういう発想できる人。
    苦渋の果てに・・・柿渋。
    イギリスには柿が自生しない・・・・日本から船便で手に入れる。
    日本の柿渋がイギリスで何に使われていたのか???
    それを応用したのか、ラン播種のために・・・わざわざ輸入したのか。
    宇井清太は知りたい!
    苦渋とは・・・いい言葉である!

 5 適湿を維持する。
 6 鉢内にはラン菌による極僅かな炭素循環が行われる。
    生きた水ゴケには、僅かな水ゴケ死骸、落ち葉などのリグニン、セルロースが存在する。
    これをラン菌が分解して、貧しいながらも僅かな糖を生み出す。
    (ダンボール播種法のダンボールもリグニン、セルロース。
    ランの発芽には共通点がある。植物組織由来のラン菌が作る糖!)
 7 ラン菌の菌糸がこの糖をランの種子に供給する。
 8 麻布のメッシュの間でプロトコームができる。
 9 発芽、幼苗。

     説明すると9項目に過ぎないが、見事に自然界の法則を再現した巧妙な知恵が
     隠されている。
     その技術は温室内での雑菌を抑えてラン菌を繁殖させるという綱渡りのような
     繊細な細心の技術である。
     この技術では、当然多く失敗する。したがって得られる苗は少ない。
     苗は極めて高価である。
     ランは高嶺の花!
     この問題点を解決したのがナドソンの無菌播種法。
     雑菌の問題解決。大量の実生苗を生産できる。
     ランの実生苗は大暴落!
     メリクロンでも苗は大暴落!
     そして日本はバブル崩壊で大暴落!
     蘭界には・・・3大暴落がある。
     現在、日本の蘭界は剣が峰の窮地に立っている。
     これを救えるのは宇井清太のラン菌による炭素循環栽培法と
     SUGOI-neであると・・・・自負している。

     8,9の期間に肥料のようなものを与えたのか、ここが不明である。
     この年代に、リービッヒの無機化学栄養理論が発表されているので・・・・。
     しかし、生きた水ゴケには雨水、雪解け水、地下水などを含む。
     ランのような貧栄養で生きられる植物では、生きられる養分が含んでいる。
     日本のラン栽培でも、日本の山に水ゴケがあった時代は、イギリスのラン栽培を真似て、
     生きた水ゴケで栽培した。
     パフィオなども昭和30年代までは生きている水ゴケで栽培した。
     全然無肥料でよく育った!
     ナンプ病の問題などなかった!
     そういうことで、無肥料で成功したのかもしれない。
     現在、日本の山から水ゴケが消えた。
     輸入水ゴケ。
     実際使って見ると、日本の生きた水ゴケとはまるで異なる!
     宇井清太も昭和50年代の初めまでは、山形県産の生きた水ゴケで、
     Cymbidiumのメリクロン苗約1000万本根巻きしたが、
     発根、伸長が・・・輸入水ゴケとまるで違った。
     無肥料でも素晴らしい苗を作ることが出来たものである。
     
     
  この技術も1922年、アメリカのナドソン博士の無菌播種法の発明によって、
  ほとんど完璧に一蹴され今日にいたっている。
    親鉢播種、無菌播種に共通するのは、エネルギー源の糖の問題。
    ラン菌が作る糖なのか、人間が化学薬品の糖を供給するのか。
    この糖がキイポイントである。
    自然界は無菌ではないから、栽培現場では糖を与えられない!
    糖の肥料を開発できない!
    自然界で植物が吸収出来る糖は、ラン菌、材木腐朽菌が作る糖のみである。
    これがラン菌による炭素循環栽培法である。
      
砂糖水を醗酵させた水を、植物に与える栽培法が「現代農業9月号 2012年」
      に掲載されているが、ラン菌が作る糖、糖質とは異なるようである。
      砂糖水の醗酵水では、ランは発芽できない。(宇井清太実験)

  
      
  そして・・・メリクロンに続く・・・・バイテクへの道。
  この延長線上に水耕栽培、植物工場につながる。
  そしてこの流れの中で、ラン菌削除の現在のラン栽培がある。  
  この科学の流れの中で「ラン菌」の存在すら注目されなくなり、
  やがて、現在見られるようにラン菌削除のラン栽培が行われるようになった。
  農業が化学肥料に走ったと同じ道を歩むことになった。

 農業が無機化学栄養による栽培になってから約150年。
 ようやく、土壌劣化の問題が浮上しているが、ラン栽培においても、
 病気の多発、株の衰弱、 肥料で作る栽培が・・・ラン栽培の普及を妨げ、
 価格の低落を招き、他方で無菌播種、メリクロンでの苗大量生産は、
 需給のバランスを破壊し、消費するランが流布するようになった。
 この対極として原種愛好が派生するが、
 ラン菌削除の原種栽培は、大量の株消費となり、絶滅危惧種のランが続出する状態。
 そういう時代背景から、植物個々の研究から生態系研究が注目されるようになった。
 地球環境の問題から、自生地の生態系が注目されるようになってきた。
 しかし、日本のラン愛好の世界では、この生態系への歩は遅い!
 相変わらず・・・原種を輸入に頼り、自生地の荒廃を危惧する声は小さい。
 日本の趣味愛好の世界は、原種の輸入業者が主導してきた。
 原種を栽培しない者は・・・ラン作りにあらず!
 そんな言葉を宇井清太も投げられたことがあった!
 今でも・・・Cymbidiumを作っているの???
 嘲笑されたこともある。
 でも、原種を作りながらラン菌も知らないで、肥料で作る・・・この愚かさ。
 このレベルが日本のラン作りのレベル。
 山から獲ってくるだけで、自生地を再生する技術を持たないラン界の技術レベル。
 自生地と乖離した栽培技術での鉢。
 これでは、ランが普及することはない!
 簡単に枯れるからである!

 種子を播いて発芽しない用土で栽培する!
 こんな栽培は・・・恐らく植物は多々あるが、作物は多々あるが・・・ランだけだろう。
 植物栽培からみれば・・・異状な栽培である。
 

 宇井清太のラン菌発見。
 ラン菌生息の用土SUGOI-neの開発は、
 150年続いたラン生態系無視栽培を、自然の法則に基づいた
 ラン生態系栽培を普及するもので、 世界最先端の栽培法である。
 技術重視から・・・生態系重視への移行であり、 ランが喜ぶ栽培法である。
 異常な栽培から・・・異状でない栽培。
 それがSUGOI-ne栽培である。
 10年後、20年後、現在のラン界が世代交代すると、SUGOI-ne栽培が標準になる。
 若い人・・・この講座見て欲しい。
 
 
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 19世紀 ラン菌播種法はどうしたのか  
    
         無菌播種法が開発される前は、
         ラン菌の炭素循環で実生していた。
         ドミニー博士の秘技とは・・・・???